ようやく春の兆しが訪れて、桜の花も満開になった・・・・かと思ったら
あっという間に葉桜のぞく陽気へと一気にすすんでしまいましたね~♪
お花見、じっくりとお楽しみになりましたでしょうか??
今年は(とはいっても実は例年のことかもしれませんが)花冷えもなかなかに厳しく
いつまで経っても朝夕冷え込んで
夜桜の下では風邪をひいてしまいそうな日が続いておりました。
花粉で鼻水?風邪で鼻水??(笑)
さて、冒頭のタイトルにあります「枕草子」の春の節
春はあけぼの
やう/\白くなりゆく山際
少し明りて
紫だちたる雲の
細くたなびきたる
清少納言の残したこの有名な一節の中に登場する「あけぼの」という言葉、
実はけっこう深い意味があるんですね。
あけぼの(曙)ということばを辞書で引いてみると、
「明け(る)」と「ほのぼの(仄仄)/ほのか(仄か)」がくっついた言葉なのだとか。
夜が徐々に明けはじめ、東の空がほのかに明るく色づいてきた状態を表す言葉だそうで
「うっすらと淡く赤く染まる色」を表しているそう。
長かった冬から春へと季節が移り変わり、夜明けの頃に空が明るく色づき始める
あの凛と張り詰めた空気感が伝わってきそうな・・・そんな、時間。
そして、なんとその「あけぼの」という名前のついたお料理があることを、ご存じでしょうか?
(・・・・と、なんだかもったいぶって情緒たっぷり、
まるで百年前から知ってたかのようにエラソウに書いてますが
ワタシも実はこれを知ったのはつい先日なのです~~~(笑))
その名もズバリ「あけぼの焼」(写真右端)
和食の会席料理のメニューの中には、こんな粋な表現があるんですねぇ☆
焼き物皿にのっているのは、太刀魚の幽庵焼き、
手前には、蚕豆(そらまめ)を蒸してすりつぶしてヒョウタン型に抜いたもの、
(その上にチョコンとのってるカワイイ花びらは大根で作ってあるんですよ~☆)
サーモンの小袖寿司、
そしてウワサの
曙焼。
大人気の和食処「割烹にしむら」の亭主・西村弘料理長にたずねたところ、
お客さんの前ではまぁ滅多に見せることの少ないバリッバリの北九州弁で
「あけぼの焼きっちゃーのぅー、
ほんのり淡いピンクやら薄い赤やらの色がついた
シャレた料理のことをゆうんたい!
明太やら、梅やら、そげなとをこーぅ薄く上品にぬって、
ばちーっと、焼く!」
・・・・(´∀`*)クスクス
なんだかガサツな物言いですが(にしむら兄さん!ネタにしてゴメンナサイネ~!'`,、('∀`) '`,、)
これがどうして、西村料理長の手から紡ぎ出される料理の数々、皿に踊る食材たちの実に美しいことといったら・・・
豆乳のゼリー寄せ 栄螺 おくら 梅味和え
鮭と独活(ウド) 菜の花 蕨
鯛、車海老、細魚の造り
穴子の飛龍頭 湯葉あんかけ 蕗
茶碗蒸し 松葉蟹餡 菜の花
・・・・美しい。香りがお届け出来ないのが残念ですが、おだしの香りがふんわり漂い・・・タマラナーイ!
そして何より、本当においしそう!
(というと、「おいしそう!やない。オレの作る料理は、おいしい!たい。」と、自信満々で返されるんですよ~!サスガ!!)
(一見、気難しそうに見えますが、本人はいたってB型です!実は陽気なオジサンですよ~わはは笑)
美しく花開く春の食材たち。
皆さんも、和食のココロ、青く輝く今年の葉桜でも眺めながら、じっくり味わってみませんか?