【COLUMN】花田伸一のアート!アート!アート! vol.17
2017.04.19
ブラシを吊り下げた意味ありげな装置の各部に説明書き。
一見何のことだか…。
作者は国旗や的や数字など見慣れた題材を意味ありげな絵画に仕上げて注目され、後に本作のように日用品も取り上げました。
これたの作品で重要なのは無意味なこと。
大真面目な意味に満ちた美術史に対する作者渾身の知的悪戯です。
画面が醸し出す重々しさに反する知的な軽やかさ、いわば意味の宙吊り状態が本作のキモでしょう。
[ジャスパー・ジョーンズ 作]
「"M" 1972」1972年
千草ホテル本館1Fロビー
[キュレーター] 花田伸一
北九州市立美術館の学芸員、九州芸文館の学芸員を経て、2016年より4月より佐賀大学芸術地域デザイン学部准教授を務める。