私たちは美術作品につい意味を求めたくなります。
作者は何が言いたいのか、この作品にはどんなメッセージがあるのか。
しかしこの作品に「意味」はありません。
あるのは「趣味」だけです。
ちなみに18世紀ドイツで本格的に美術の研究が始まった頃、作品鑑賞の様子を料理になぞらえていました。
さっぱりとした感じとかもたれる感じという具合に。
では、この絵はどのような感じでしょうか？
ぜひとも実物を目で見て「味わって」みてください。

［ジャスパー・ジョーンズ 作］
「untitled」1977年
千草ホテル所蔵

［キュレーター］　花田伸一
北九州市立美術館の学芸員、九州芸文館の学芸員を経て、2016年より4月より佐賀大学芸術地域デザイン学部准教授を務める。