【COLUMN】花田伸一のアート!アート!アート! vol.26
2017.04.20
その名の通り「鉄鋼による作品」です。
一見取り付くシマも無いかのような切れ味鋭い気配を漂わせていますが、斜めの構図や不統一な凸凹、表面色の微妙な濃淡に着目すると、シャープな外見の隙間からどこか人間らしさが見え隠れするようにも思えます。
視線をはねつけるかのような鉄鋼の向こう側に流れている息遣いを感じることが本作の深みに触れるコツではないでしょうか。
[久野真 作]
「鉄鋼による作品」 1985年
千草ホテル本館3階廊下
[キュレーター] 花田伸一
北九州市立美術館の学芸員、九州芸文館の学芸員を経て、2016年より4月より佐賀大学芸術地域デザイン学部准教授を務める。