【COLUMN】花田伸一のアート!アート!アート! vol.38
2019.12.01
豊福作品に特徴的な「穴」は偶然から生まれました。
木版を表と裏から掘り進めるうちに掘りすぎて穴を空けてしまったところ、それが却って面白い効果を生むと気づき、その後穴を象徴的に用いた彫刻で評価を高めます。
このように美術の世界ではマイナスがプラスに転じることが多々あります。
作者は久留米市出身で長らくミラノで活動。
博多港「那の津往還」はじめ豊福作品は近隣でも数多く見られます。
[豊福 知徳 作] 「細い柱Ⅱ」 制作年不詳/木彫
本館1階 ロビー
[キュレーター] 花田伸一
北九州市立美術館の学芸員、九州芸文館の学芸員を経て、2016年より4月より佐賀大学芸術地域デザイン学部准教授を務める。