【COLUMN】花田伸一のアート!アート!アート! vol.36
2019.06.01
まるで子どもが描いたような絵。
作者には1950〜51年にザクロを描いた石版画群があり、おそらく本作もその一つと思われます。
作者は1920年代シュルレアリスム運動に関わった一人。
この運動は無意識の働きを解放しながら新たな表現を生み出そうとする試みでした。
その背景には理性への疑いと反省があります。
いつの世も戦争を始めるのは理屈や道徳を重んじる「理性」的な大人達だからです。
[アンドレ・マッソン 作] 「untitled」 制作年不詳/リトグラフ
本館4階 エレベーターホール
[キュレーター] 花田伸一
北九州市立美術館の学芸員、九州芸文館の学芸員を経て、2016年より4月より佐賀大学芸術地域デザイン学部准教授を務める。