こんにちは!
あっという間に4月になりました!
例年ならばもう桜の便りも超満開♪の季節のはずなのですが・・・
今年はまだまだ外吹く風にも冷たさが残っていて・・・超☆満開には、まだもう一息のようですね~。
さすがに北九州も日差しの中に春の暖かさや優しさを感じられますが・・・
夜になると「おっと、こりゃわりと寒いゾ!」と、ちょっと驚いてしまいますね。
ほんものの春本番が本当に本当に待ち遠しいです!!
さて、そんな気持ちを察してか、わが千草ホテルにはひとあしお先に小さな春の可愛いお便りが届きました☆
キレイなキレイな淡いピンクの桜色♪
エントランスを抜けた目の前に、こういった美しい季節のお花が目に入ると、本当に心が和みますね~。ほのぼのした気分になれて、なんだかほっこり幸せな気持ちになれます♪
※ただしただし、桜の木はむやみやたらに切ったり折ったりしては絶対にいけません!!
桜には昔から、精霊が宿ると言われています。
このロビーの桜の枝は、園芸・鑑賞用に特別に栽培されているものですから、
皆さんが目にする桜とは違いますので、くれぐれもご注意を!!
さてさて、なかなかやる気を出してくれない(?)春の陽気を目の前に、寒いシーズンをしめくくる意味で・・・?・・・ちょっとこのリンゴのデザートをご覧ください。
・・・あれれ?写真を見ただけでは、なんだか・・・こげ茶色?の?ちょっと素っ気無いような??いつものフレンチレストラン・ミルエルブのデザートではないような・・・??
そんな疑問を持ってくださった方がいらしたとすれば、“THE・ミルエルブの達人”の称号をぜひプレゼントしたいですね(笑)
この、なんだか、お世辞にも見た目はあまり?可愛くない(コックさん、ごめんなさーい)デザートの正体は・・リンゴを使ったフランスの伝統的な焼き菓子「タルト・タタン」なんです!
フランス料理やお菓子、デザートなどに少し精通してらっしゃる方なら、一度は耳にしたことのあるタルトの名前かと思いますが、このタルト・タタンという名前、実はタタン姉妹という実在した女性の姉妹からつけられた名前なんですね。
去年のまだまだ寒い時期、「ランヴェルセ」という、リンゴのタルトをひっくり返したスタイルの、その名も「ひっくり返す」というデザートのお話を紹介したことがありますが、そのランヴェルセの原型となったタルトなんですね。
ちなみにこの写真のタルトタタンは、わがレストランの厨房にあるオーブンにて、7時間もかけてじっくりゆっくりじっくりゆっくり火を入れて焼き上げたものなんです。だから、こんな風に見事なまでのこげ茶色になってるんですね。
ではなぜこのタルトに、タタン姉妹の名前がついたのかを紐解いていきましょう・・・
19世紀後半、パリ南部のソローニュ地方に、タタン姉妹の経営する小さなホテルがありました。
ある時、リンゴのタルトを作っていて、ついうっかり、タルトのベースとなる生地を入れ忘れていることに気づき、慌てたタタン姉さんが途中で生地をリンゴの 上からすっぽりかぶせてムリヤリ焼いてみた・・・ら、意外や意外、リンゴの下のほうにたまった砂糖とリンゴのエキスがちょうど良い具合にバターでキャラメ リゼされてカリカリの食感に焼き上がり、普通に焼いたタルトよりも香ばしい風味のするお菓子が出来上がった・・・
それ以来、リンゴのタルトを、あえて逆さまにして焼くようになったことから、このお菓子にタルト姉妹の名前がついたのだそうです。
まさに、逆転の発想?から生まれた、ピンチをチャンスに変えた一品なんですね!!
で、さらに補足いたしますと、このタタン姉妹の経営していたホテル「オテル・タタン」、実は今でも存在しているのだそ うです!!パリ南部を旅行される機会があれば、ラモット・ブーヴロンという街を探してみてください、当時から変わらぬ歴史ある風景の中に、とても美しかっ たというタタン姉妹の面影を見ることが出来るかもしれませんよ~♪
というわけで、今日は写真はちょっと少なめ、そのかわりと言ってはなんですが、フランスの伝統的なお菓子にまつわる物語をご紹介しました。
人に歴史があるのと同じように、お料理やデザート、カクテルやドリンクの数々には・・・それぞれ、小さくて素敵な物語が隠されていたりします。これからは、そういった小さな物語なども、少しずつご紹介していきましょうね☆
歴史に想いを馳せて味わうのもまた、素敵な思い出のひとつになるかもしれませんから・・・