女将が『お酒』をつくる?!
2016.02.29
こんにちは。ブライダル担当のSです。
まだまだ寒い日が続いていますが、二十四節気では【雨水(うすい)】を
過ぎました。空から降るものが雪から雨に変わり、氷が溶けて水になるという
意味で、草木が芽生え農耕を始める目安とされる時期です。
またこの【雨水】の日に雛人形を飾ると、良縁に恵まれるとも
言われています。今年の【雨水】は2月19日ということで
すでに過ぎてしまいましたが、女のお子様がいらっしゃるお父様お母様は
来年からぜひ意識してみてくださいね
女将がいるホテル
ところで良縁といえば…
暖かくなってくるこの季節には、わが千草ホテルに
おいてもご結婚式だけではなく
結納やご両家のお顔合わせなど、おめでたいお席の
お手伝いをさせていただく機会が増えてまいります。
特に結納の儀式では『いろいろな決まり事があり
何だか難しそう』とおっしゃるお客様も多いのですが
私たちのホテルでは、儀式の進行役を
女将が努めさせていただきますので安心です。
そうなんです
意外に感じる方もいらっしゃるかと思いますが
千草ホテルには女将がおります。
温泉観光地などのない北九州のホテルでは
少し珍しいことかもしれませんね。
実は千草ホテルは、1914年に【料亭 千草】として、北九州の八幡の街に誕生しました。
元々は料亭だったということから
女将が存在しているのです。
ちなみに余談ですが、今でも和食の料理長やチーフは『〇〇兄さん』と
親しみを込めて呼ばれていたりします。
女将を【おかみ】となぜ読むか
しかし、そもそも女将はなぜ【おかみ】と読むのでしょうか?
男あるじを意味する【大将(たいしょう)】の対義語とするならば、
【じょしょう】もしくは【にょしょう】と読むのが自然のようにも感じます。
女将を【おかみ】と読む理由は、以下の2つの理由からと言われています。
① 昔の朝廷や政府、官庁などの大きな権力に対して用いる言葉【御上(おかみ)】に由来
② 弥生時代の酒造りの方法【噛み酒】に由来
①はドラマなどでも聞いたことがある言葉ですよね。
お店などを取り仕切る、一番の権力者という意味でしょうか?
②の【噛み酒】とはその名の通り…弥生時代の酒の造り方は
炊いたお米を口で噛んで造っていたのだそうです。ちょっと驚きですね
当時は一家の長は女性とされ、子育てから食材の管理・配分、酒造りはすべて女性の役目。
その中でも、祭りの際に特に重要な役割であった酒造りの様子から【女性が噛む】→【女噛む】→【おかみ】となったようです。
美味しいお酒を造る女性を尊敬して『おかみさん』と慕い、何とか酒の配分にあずかろうとした男性の気持ちも込められているそうで…
2300年以上も前から、男女の関係性はどうやらあまり変わりがなさそうですね。
千草ホテルに女将がいる理由
ご承知の通り、私共の女将はお酒は造りません。
しかし、ご結納、ご結婚式はもちろんのこと、ご宿泊や記念日の
お食事会、そして何気ない1日の何気ない時間もすべて
みなさまの人生の節目節目に訪れる大切な瞬間を、最良のものに
なるようお手伝いをするという大変重要な役割を担っています。
私たちは従来のホテル業にとどまらず
女将がいるホテルとして、創業100年の伝統に裏打ちされた
『千草ならではのおもてなしの心』を
次の100年もしっかりと受け継いでいきたいと考えております。